粉雪の 蜘蛛の巣につき 朝日さす(升身) 先日、朝起きて外を見ると、一面の雪景色でした。いつもと違った荘厳な装いで、我が身が引き締まるような朝でした。北の地方では、
どっさり雪が降り積もったようですが、当地ではうっすらと降り積もった美しい景色でした。
何時の時代も
先日の新聞(12月19日朝日新聞土曜版)に、「磯田道史のこの人その言葉」というコラムがありまして、次のような文が載っていました。
今の世の 人気はやりは 人を倒して我富まんと思う心。なんとかこの心を翻し 人に良かれ 我も良かれと思わせたい。 只野真葛(ただのまくず)
皆様この文を読んで何時頃の人が書いた文だと思いますか。実は、只野真葛という人の生年月日が横に書いてありました。(1763〜1825)とあります。只野真葛という人は江戸時代の女性でありました。
この文の最後に「真葛は"女一人の心として世界の人の苦しみを助けたく思う"といい"世界の万民"が"金争い"に苦しむ"心の乱世"を警告した。世の流行は人を倒して自分が豊かになろうだが"他人にも良い。
自分にも良い"と一同が思えるような世界に発想転換を。この女性は一人でそれを考えていた。今の我々にも向けられた重い言葉である。」と書いてありました。
何時の時代も同じ事だと思うと同時に、今の世の中を憂え、また自分自身も反省させられました。
人間なんて浅はかなものですねぇ…。
でも「人を倒して自分が豊かになろう」としているのは人間だけではないように思います。動物だって獲物を奪い合って争いあっています。
植物だって栄養分の取り合いによって成長しています。木や草花は、日光の当たるほうへ枝や葉をのばし、日の当たらないところの木や草は十分成長できないでいるか、枯れてしまっています。
人だけでなく生き物すべて「まず自分が豊かになろう」とせめぎあっているのが現状でないでしょうか。この現実を認識した上で、私達人間はどのように生きて行かなければならないのかを、
考え・編み出して行かなければならないと思います。
人にはだれも「仏性」が備わっている、と仏教では説かれています。いや、山川草木すべてに「仏性」がやどっていると説かれています。
弱肉強食の世の中でありますけれども、その生き物の本性の中にも「仏さまの素質」をみんな持っている。と思い至ることから「只野真葛さん」に対する答えも見付かりそうな気がします。
先月号にも書きましたが、無報酬の仕事を大切にする様な考え方を持ち、そんな仕事をふやし、そんな仕事が出来るように、機会あるごとに勤めていくことが、江戸時代でなく現在において大変重要なことであります。
今年最後の寺報が、えらく堅苦しいものになってしまいました。「政権交替」が今年の言葉と決定しました。それはそれで私たちも期待することにして、何か自分なりに社会貢献できるような
そんな将来に希望が持てるような発想を持ちたいものです。
今年も後わずかの日を残すのみとなって参りました。多くの方々にお世話になりこの日を迎えられました。ありがとうございました。 合掌
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